パジャマジャ メルヒェン
『鼻腔飛行』
オレンジの香りにさそわれて
やってきたのは雲の上
うっかりぼんやり飛びすぎた
どこにもオレンジ見あたらない
昼寝を終えたカラスがあざ笑う
「おれはもっとすごいのしってるぜ」
いばってカラスは宙返り
描いたわっかのなかにオレンジ色
はるか遠くで光っている
においがしないのは遠いから
「あそこへ行こう」
すぐさま夕日に向かって飛び去った
嘘つきカラスはかっかっと笑い
くるりと背を向け
残飯探しに飛び去った
もどろ